PU取付作業風景 Anthem編

リペア 東京店

ドルフィンギターズでは様々なPUを取付ておりますが、PUタイプやギターの構造に合わせ様々な取付方法が必要となります。

今日はLR Baggs Anthem取付の一例をお見せします。
AnthemはアンダーサドルPUとコンデンサーマイクをMixするシステムですが、取付セットアップにより出音も大きく変わってきます。(*Anthemに限らず)

取り付けるギターは1970年代のMartin 000-18。まずは取付前にすべての工程を確認します。
現状のサドルですがサドル幅・溝が2,2mm。過去にブリッジ交換されているようで、サドル溝は2,2mmに加工されています。
Martinの純正は2,4mm幅なので、わずか0,2mmですが細くなっています。

AnthemのPU素子は2,4mmほどのサイズなので、現状入らないことはないですが出音が詰まる、モコモコしたり、PU出力バランスが不揃いなどといった原因にも繋がりますのでサドル溝を加工することにします。

まず、ブリッジ材と同じローズウッドで溝を埋め木します。なるべく色合いの近い物を使用。

厚みや幅、高さすべてジャストフィットに。これは技術を要します

そしてオクターヴピッチの確認。専用の道具を使用し、適切な支点をチェックします。
この位置に合わせサドル溝を再度切り出します。

専用の治具を取付け、トリマーで溝を掘る作業です。
この時の切り出す位置や長さ、作業時にブレがないか?など入念に確認。ここで一番時間を要しますかね。
位置を決めたら一度に掘るのではなく、深さを確認しながら回数を分けて掘っていきます。
今回のビットは3,0mmを使用。


溝掘り加工完了。キレイな溝ができました。

PU素子もこのようにスムーズに収まります。

加工した溝は3,0mm、なので3,0mm厚のサドルを新規作成。オクターヴ補正もバッチリです。

その他コンデンサーマイクやコントローラー、電池BOX取付け、配線をまとめて完了です。
PU取付による生音へのマイナスな影響どころか、生のサウンドや音抜けも向上しました。

これまで多くのギターにPUを取り付けてきましたが、やはり経験が物を言うと実感します。
PUの説明書には取付方法が記載されてますが、様々なギターの構造に対してのマニュアルはありませんので、取り付けるにあたりギターの構造を熟知し、バランスを考えながら取り付けしないと本来のポテンシャルは発揮しにくいと言えます。

ドルフィンギターズでは取付けはもちろん、すでに搭載されたPUシステムの出音に不満があり、なんとか少しでも改善したいという方、またはピッチの不安定なギターを少しでも修整したいと言う方のご要望も承ってますので、お気軽にご相談ください。

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